バッタくんプロジェクトから【緊急メッセージ】
緊急事態宣言下、外出自粛を余儀なくされ、これまで、市内を中心に学校や施設などへ絵本と音楽のコンサートを届けてきたバッタくんプロジェクトも活動が出来ず、せめて絵本だけでも楽しんでもらおうとオンラインで届けることを決め、YouTube配信などを行ってきました。
実は、物語の内容から配信はものすごく躊躇(ちゅうちょ)したんです。
物語では、主人公のイネコちゃんが黒い病にかかってしまい、大親友のバッタのゆうまくんはじめ、虫の仲間たちがイネコちゃんのもとへ向かい、イネコちゃんのために音楽を奏でます。みんなの音楽を聴いたイネコちゃんの黒いすすがとれ、中から金色に輝くイネが登場し、あたり一面、小金色の野原が広がります。
躊躇したのは、黒い病にかかったイネコちゃんのもとにバッタくんたちがみんなでイネコチャンのために音楽を奏でに行くところ。
子どもたちが、物語を現実と重ねて読むとき、黒い病のイネコちゃんはあたかも新型コロナウイルスに感染した子どもということになりはしないだろうか。
その際、物語に触れた子どもたちの中に、この話に感銘を受けた子どもがいて、新型コロナウイルスをも恐れず、感染した子どもの元へ行ってしまったらどうしようと思ったのです。
配信に踏み切ったのは、音楽やコンサートでコロナが治るわけではないけれど、感染者は誰なのかといった詮索や、差別が横行していた中、そんなものを超えて、「一人のためにみんなが気持ちを込める」という『思い玉』を伝えたかったのです。
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今日、三木市でも一人の小学生が新型コロナウイルスに感染したというニュースが流れました。
【市長メッセージを発表】
仲田三木市長は21日、緑が丘東小学校の児童及びしゅうらく苑デイサービスセンターの利用者と職員が新型コロナウイルスに感染したことを受け、市長メッセージを発表しました。
メッセージおよび詳細は、以下の三木市ホームページをご覧ください。https://t.co/QxN0TB2NDO— 兵庫県三木市防災情報 (@miki_city_bosai) August 21, 2020
感染した子どもは不安なんちゃうかな~と思います。
それは、感染してどうなるんだろうかという病気の心配もだけど、周りの目もまた。
今や、誰が感染してもおかしくない状況です。
誰それがかかったことをせめるのではなく、その子をはげます行動をとってほしいのです。
動画であったり、生の声であったり。
独りにするのではなく、みんなで支え合ってほしいのです。
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バッタくんのおくりものの配信にはそんな思いを込めています。
一度また見てみてください。
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『バッタくんのおくりもの』は、2017年「ムジカドルチェ」の10周年を記念して制作した創作絵本です。
イタリア語で「優しい音楽」を意味する「ムジカドルチェ」は、ピアノとチェロのデュオグループです。この絵本は、2017年、「ムジカドルチェ」の10周年を記念して集まった応援団により作られました。
物語には、ムジカドルチェの「音楽を聴きに外に出ることができない方のもとにこそ音楽を届ける」という「活動の思い」が込められています。
応援団は、現在、絵本の名前にちなんで「バッタくんプロジェクト」として、三木市を中心に、どなたでも参加いただける絵本と音楽のコンサートを開催しています。
子どもの優しさを育むため、お母さんお父さんが子どもに、おじいちゃんおばあちゃんが孫に、地域の読み聞かせボランティアの方が地域の子どもに読んであげるなど、世代や地域の繋がりつくりにお役立ていただけるよう、主として、イベント会場にて販売させていただいているものです。
この度、新型コロナウイルスにより外出自粛の中にあって、われわれにできることとして、おうちの中での楽しみにしていただければ幸いです。